実際にハワイの不動産を購入したときの経験を元に、ハワイ不動産購入の流れをまとめました。不動産エージェント選びから不動産物件の見学、銀行口座の開設、エスクローオープン、公証書類を揃えて、支払いを行うまで不動産購入における一連の流れを記載しています。
目次
ハワイ不動産購入のタイムスケジュール

ハワイの不動産を購入するのにどれくらい時間かかった?

僕の場合はハワイで不動産物件を見学して回ったのが2月下旬で、そこから購入する不動産物件を決めて、最終的に登記が完了したのが4月上旬だから、だいたい一ヶ月半くらいだね。
管理人がハワイ不動産を購入するまでに行ったことを列挙すると次のようになります。
・不動産エージェントを選ぶ
・不動産エージェントに渡航予定日・購入条件を伝える
・ハワイで不動産物件を見学する
・ハワイの銀行口座を開設する
・ハワイ不動産のエスクローオープン
・ハワイ不動産購入の公証書類を揃える
・ハワイ不動産購入の支払いを行う
・ハワイ不動産の登記完了/エスクロークロージング
それぞれ詳しくみていきましょう。
不動産エージェント選び

不動産エージェントって、物件見学のときに一緒についてきてくれる人だよな? 不動産エージェントを選ぶときに気をつけたほうがいいことってある?

不動産エージェントは物件見学の手配以外に、購入手続きでもお世話になる人だね。エージェント選びで重要なのは、言いたいことが気兼ねなく言える相手であることだと思う。僕の場合は親族からの紹介だったから、エージェント探しはしていないんだ。
ハワイ不動産投資において不動産エージェント選びは不動産物件選びと同じくらい重要なことだと思っています。
実際にハワイで不動産を購入する段階に入ってくると、疑問もたくさん出てくることでしょう。そのような疑問を不動産エージェントに言わずに手続きを進めていくのは絶対にやめたほうがいいです。そのためにも不動産エージェントには言いたいことが気兼ねなく言える相手を選ぶべきです。
管理人がお世話になっている不動産エージェントの岡崎さんは親族からの紹介で、実は管理人が初めてハワイに行ったときに観光案内もしてもらっていました。つまり、ハワイで不動産を購入するつもりがない時から面識があったわけです。
おかげで、いざハワイで不動産を購入しようと決めたときにも気兼ねなく条件を言えましたし、疑問に思った些細なこともバンバン聞くことができました。もちろん、岡崎さんの明るい性格や、何でも聞いてくださいというスタンスのおかげもあったと思います。

ぞうくんの場合は面識があったからよかっただろうけど、俺の場合はどうやって探せばいいんだ?

まず知り合いにハワイの不動産購入経験者がいないか探して、もしいればその人から紹介してもらうのがいいと思う。そういう知り合いがいなければ、ネットで探すことになるかな。
不動産エージェント選びですが、まずハワイの不動産購入経験者が近くにいれば、その人から不動産エージェントを紹介してもらうことを検討してみてください。
その不動産購入経験者が信頼できる人であれば、そのような人がおすすめする不動産エージェントは信頼できる人である可能性が高いはずです。
そのような不動産購入経験者が近くにいない場合は、インターネットで探すことになるかと思います。
不動産エージェントが書いているコラムやインタビュー記事、Youtube 動画などを探して、そのエージェントの人柄が自分と合いそうかどうかで判断してください。
インターネットでのハワイ不動産エージェント探しにおいては、それなりに英語ができる方でも日本語ができる不動産エージェントを探したほうがよいと思います。
不動産の購入手続きや運用などで使われる英語は日常会話で使われる英語とは異なっています。使い慣れた日本語でちゃんと理解していくことが大切です。
日本語が話せるハワイの不動産エージェントとなると「日本で生まれ育ってハワイに移住して不動産エージェントをしている方」か「日系ハワイ人で不動産エージェントをしている方」のどちらかになると思います。
管理人がお世話になっている不動産エージェントの岡崎さんは前者の日本で生まれ育ってハワイで結婚・移住された方です。日本人的なきめ細かい配慮などもあり、岡崎さんにお願いして本当に良かったと思っています。
※不動産エージェントの岡崎さんについては「ハワイ不動産の専門家」でご紹介しています。
不動産エージェントに渡航予定日・購入条件を伝える
ハワイの不動産物件情報はインターネット上でも閲覧できますが、ハワイの不動産購入が初めての場合、ネットの情報だけで購入を決めるのはおすすめしません。
物件周辺の環境・アクセス、物件内の共有施設と手入れ具合、運営スタッフの様子などを、実際に現地で確認することを強くおすすめします。
不動産エージェントから見学している物件に関する最近の動向について教えてもらうのも重要だと思います。
管理人の場合は岡崎さんに対して、一ヶ月前に渡航予定日を伝え、一週間前に購入条件を伝えました。当時のメールのやりとりを記載します。
渡航予定日を不動産エージェントの岡崎さんに伝えるメール
岡崎さん
こんにちは。××です。
ハワイですが、一週間の日程で行くことにしました。
行きと帰りの飛行機の時間をお知らせしますね。▼行き
・2/26(日) 09:25 ホノルル着▼戻り
・3/3(土) 13:00 ホノルル発今回の旅行中に物件を決めてしまいたいと思っているので
いろいろアドバイス頂ければと思っております。
どうぞよろしくお願いします。
不動産エージェントの岡崎さんからの購入条件の確認メール
××さん
こんにちは。早くも来週はハワイご到着ですね。
そろそろ、お勧め物件を絞りたいとおもいますので、以下の内容でご希望をお聞かせください。
でも、まだ数回しかいらっしゃっていないので、わからないわーというのであれば、私のお勧めでいろいろお見せしますね。・ご予算
・場所(ワイキキ以外は?)
・年間でのご利用予定期間(自分が使いたいと思う期間など。完全に貸し出しにするなど。)
・広さの希望
・その他(あれば。)
では、来週お待ちしております!
購入条件を不動産エージェントの岡崎さんに伝えるメール
岡崎さん
こんばんは。××です。
まず予算は40万ドルまででお願いします。
※ただ、いい部屋を無料で見て回れるチャンスでも
あると思うので、ゴージャスな部屋にも
連れていっていただけるとうれしいです!場所はワイキキですね。ワイキキ以外だと
多少安くなるのでしょうけれど、自分が
使うときに不便になるだろうなと思いますので。。。オーナーとしての利用は、年1-2回程度を想定しています。
※それ以外の期間は貸し出すことが
できる部屋という前提ですね。広さは1ベットルームを想定しています。
あとは、重要視するのは、キャッシュフローが
ドルのインフレ分くらいはまかなえて欲しい
というところですね。物件を持っていれば持っているほど、手持ちキャッシュが
流出するのは避けたいと思っています。上記の条件で適当なものを見繕っていただけると
ありがたいです。いくらでも時間はあるというと
変ですが、暇しているのでたくさん見せて下さいー。
メールにあるように管理人は「この物件を見たい」というリクエストは出していません。
渡航前に見学したい不動産物件が決まっていなくても問題はありませんし、不動産物件との出会いも縁だと思うので、とりあえず現地で見学する段取りを進めるとよいと思います。
なお、ハワイの不動産見学は当日申し込んで当日見学できるというわけではありません。
賃貸物件であれば入居者に事前承諾を得る必要がありますし、ホテル・コンドミニアムの部屋の場合は宿泊客がいないタイミングを見計らう必要があるからです。
そのため、一週間前までには不動産エージェントに購入条件を伝えておくのが望ましいと思います。
ハワイで不動産物件を見学する

さあ、いよいよハワイで不動産見学だな。約一週間滞在したそうだけど、どれくらい物件を見てみたんだ?

全部で12件かな。到着日と出国日は何もしていないから、正味5日間で12件だね。一日2、3件って感じだね。

一日2、3件? それだけだとあまりやることなさそうだなぁ。どうやって過ごしてたんだ?

不動産エージェントの岡崎さんが物件見学の予定時間に合わせて迎えに来てくれて、一緒に物件を見学したら、またホテルに送ってもらう感じだったね。空き時間はワイキキビーチを散策したり、ホテルでゴロゴロしたりかな。あとは日本にいるときと同じようにパソコンで仕事をしていたよ。

もっとハワイをエンジョイしろよ(笑) そうそう、不動産物件の見学ではどんなことに気をつけて見ていたんだ?

物件周辺の環境・アクセス、物件内の共有施設と手入れ具合、運営スタッフの様子などだね。あと、岡崎さんに見学している物件について何か知っていることがないかを聞いてたよ。その物件が購入後にポジティブな推移をしそうなのか、ネガティブな推移をしそうなのかを判断したかったからだね。
管理人が不動産見学で回ったのは一日2、3件でした。こう聞くと少ないように感じるかもしれませんが、個人的には次から次へと見ていって密度が濃い見学ツアーになった記憶があります。
管理人は不動産物件を見学してホテルに戻った後、簡単なレビューをWordで作っていました。
メモに残した内容は「写真」「価格」「総合評価(5点満点でいくら)」「コメント」で、後から見直した時に思い出せるようにするためです。
ホテルに戻って落ち着いた環境で振り返ってみると、不動産見学をしている間に気づかなかったことが出てきたりするので、おすすめです。
管理人の場合、岡崎さんに浮かび上がった疑問点や確認事項は問い合わせをしていました。
気に入った物件については、帰国する前にもう一度見てみるなどのアクションを取りたくなるかもしれないので、そのあたりも含めて滞在中は不動産エージェントと密に連絡を取り合うとよいと思います。
ハワイの銀行口座を開設する

不動産の見学以外に、ハワイの現地でやったことはないのか?

岡崎さんに付き添ってもらって、ハワイの銀行口座を開設しておいたよ。不動産物件からの収益を受け取るのに現地の銀行口座が必要になるからね。
管理人の場合は、ハワイ不動産見学と一緒にハワイの銀行口座も開設しておきました。管理人が口座開設した銀行は次の2つです。
・Central Pacific Bank(セントラル・パシフィック・バンク)
・First Hawaiian Bank(ファースト・ハワイアン・バンク)
当時、管理人が銀行口座を開設するのに必要だったのは「パスポート」と「最初に預け入れる現金(管理人の場合、100ドル)」です。
Central Pacific Bank はオンラインで口座情報が閲覧できるということもあり、不動産収益を受け取ったり、維持費の自動引落や経費を支払ったりする口座として活用しています。
First Hawaiian Bank はあまり使う機会もなかったので、開設して2年後に口座を閉鎖しました。
ハワイ不動産のエスクローオープン

購入する不動産物件を決めてからの流れはどうなっているんだ?

まず岡崎さんに「この物件にします」って伝えるよね。そうしたら、売り手側の不動産エージェントと連絡を取ってくれて、売り手との間で条件が折り合えば売買契約の成立ってことなるよ。
管理人の場合、最終的にどの物件を購入するかは日本に帰国する日に決めました。そのため、それ以降の書類手続きや代金支払いは、すべて日本から遠隔で行っています。
ちなみに、売り手とのやり取りで岡崎さんがダメ元で値引き交渉をしてくれて、結果2万ドルも安くなりました。
売り手側に早く現金化したいニーズがあったのかもしれませんが、それもこれも交渉しなければ始まらないので、本当にありがたかったです。

売買契約が成立ってことは、あとは購入代金を相手に支払えばOKってことか?

その後は、代金の受け渡しや登記などを行ってくれるエスクロー会社に依頼して、手続きを進めていくんだ。
ハワイの不動産売買ではエスクロー会社が売り手と買い手の間に入って、手続きを進めてくれます。
エスクロー会社の役割は、代金の受け渡しや登記手続きの他に、物件の現状調査(ホームインスペクション)やシロアリ検査なども手配してくれます。
ハワイの不動産取引がスムーズに行われるように、様々な調整をしてくれるのがエスクロー会社というわけですね。
※エスクロー会社について詳しくは「エスクロー会社の役割とは?」(外部リンク)をご参照ください。

なんだかたくさんやることがありそうだな…。ぞうくんはよくやりきれたな。

僕がやったことは、基本的に3つだけだよ。
1つ目は、岡崎さんからメールで送られてくるドキュメントにオンラインでサインをすること。
2つ目は、大阪のアメリカ領事館に行って手続き書類(譲渡証)に公証をもらって、その書類をエスクロー会社に送ること。
3つ目は、購入代金を送金してエスクロー会社に支払うこと。
この3つだから、そんなに難しいことはなかったよ。
管理人の場合、DocuSign というオンラインでサインできるサービスを利用して、書類処理を進めていきました。
といっても、岡崎さんからメールでURLが送られてくるので、それを開いて該当箇所にサイン代わりのスタンプを押していくだけです。
岡崎さんからドキュメントの要点の解説もありましたし、疑問に思ったことも質問したら丁寧に答えていただいたので、書類手続きで困ったことはなかったですね。
ハワイ不動産購入の公証書類を揃える

さっき手続き書類に公証をもらうって出てきたけど、これはどういうことだ?

ハワイの不動産売買における書類の多くは電子署名で大丈夫になっているんだ。でも「譲渡証(Deed)」に関しては、署名したのが購入者本人であることを証明する必要があって、公証人に立ち会ってもらって署名するんだ。これが公証というものなんだよ。
管理人の場合、大阪・神戸アメリカ総領事館(大阪市北区)に赴いて、エスクロー会社から送られてきた書類に公証をもらいました。
※ハワイ不動産書類の公証手続きについては「ハワイ不動産購入の際に必要な「公証手続」とは?」(外部リンク)に詳しく記載されているのでご参照ください。
ハワイ不動産購入の支払いを行う(海外送金)

残るは購入代金の支払いだな。不動産の購入代金って結構な金額だと思うけど、どうやって海外送金するんだ?

僕は citibank(現:SMBC信託銀行プレスティア)に口座をもっていたんだけど、citibank の口座内で円からドルに替えて、それを海外送金したんだ。
不動産購入代金ですが、一度に全額支払うわけではなく、最初に手付金1,000ドル、手続きの間に第二手付金4,000ドル、そして最後に残りの全額という三段階で支払いを行いました。
買い手と売り手の不動産エージェント間のやり取りで売却金額は決まっていますが、それ以外の物件検査などの諸経費がどれくらいかかるかは最後の方になってみないとわからないので、このような段階を踏んでの支払いになっているわけですね。
管理人の場合、それぞれ次のように支払いました。最初の手付金は、日本から持っていった現金を岡崎さんに渡して支払ってもらいました。
第二手付金は練習も兼ねて、小切手で支払いました。具体的には、自分のハワイの銀行口座を citibank からの送金先として登録して、オンラインで自分の口座宛に送金手続きを取ります。
それから、ハワイの銀行の口座開設時に渡された小切手に額面や宛先を書いて、小切手現物をエスクロー会社宛に郵送して完了です。あとは先方が銀行に行って換金するという流れですね。
アメリカではまだまだ小切手取引が行われているので、このあたりで小切手の書き方を一度練習しておくと良いと思います。
※小切手の書き方については「小切手(チェック)の書き方」(外部リンク)をご参照ください。
最後の残り全額は citibank の支店に赴き、エスクロー会社の銀行口座宛に送金手続きを取りました。
金額が大きかったのでオンラインでは処理できず、担当者の個別ブースで手続きをした記憶があります。
ハワイ不動産の登記完了/エスクロークロージング

公証書類も送ったし、購入代金も払った。となると…

そうだね。エスクロー会社が登記手続きを進めてくれて、晴れて登記完了だね!
管理人の場合、エスクローをオープンしたのが3月5日(ハワイ時間)で、登記完了したのが4月5日(ハワイ時間)でした。ちょうど一ヶ月(31日)というわけですね。
なお、売り手側との当初の売買契約ではエスクローをオープンしてから30日以内に手続き完了させるという内容だったのですが、領事館で公証をもらえる日時が限定されており、期日内に公証書類の送付が難しいことがわかったタイミングで期日延長の申し出をしていました。
ちゃんと理由があればエスクローの期間延長も問題ないと思いますが、それでも基本は一ヶ月程度でエスクローを終えるのが一般的だと思うので、この期間については予め知っておくとよいと思います。
ハワイ不動産の購入明細書

結局、ハワイ不動産の購入代金含めて、何にどれくらいかかったんだ?

エスクロー会社さんからもらった最終的な購入明細書がわかりやすいから、それを見ながら説明するよ。
(単位:ドル)
項目 | 備考 | Debits(借方) | Credits(貸方) |
---|---|---|---|
Sales Price | 物件売却価格 | 330,000 | |
Deposit to Escrow | エスクロー会社への預け金 | 333,285.12 | |
Home Inspection to Keiko Okazaki | ホームインスペクション代金(岡崎さん立替) | 250 | |
Real Estate Taxes | 固定資産税(日割り) | 253.85 | |
Homeowners Association Management Fees | オーナー管理組合へのオーナー変更手数料 | 285 | |
Homeowners Association Fees | オーナー管理組合の月額費用 | 504.70(5月) 437.41(4月日割り) |
|
Escrow Fees | エスクロー費用 | 688.48 | |
Additional Charges Mailing/Handling Fee | 日本への書類郵送費用 | 52.36 | |
Title Charges CLTA Homeowners | 所有権に瑕疵が見つかった場合に損失をカバーする保険(多分) | 624 | |
Recording Fees – Deed | 登記変更手数料(譲渡証) | 50 | |
Due to Buyer | 残金の返金 | 139.32 |
管理人の場合は、購入費用は合計で約33万3000ドル程度になりました。物件売却価格との差額は約3,000ドル程度というわけですね。

あれ? 不動産エージェントへの仲介手数料が掲載されてないぞ?

不動産エージェントへの仲介手数料は、売り手側の負担だから、買い手側の明細には上がってこないんだね。
売り手が負担する不動産エージェントへの仲介手数料は合計6%で、売り手の不動産エージェントに3%、買い手の不動産エージェントに3%ずつ支払うのが相場だそうです。
不動産物件購入時に支払わなくてよいのは、不動産を購入しやすくする良いやり方ですね。
ハワイ不動産を購入した後にやること
ハワイ不動産を購入したら、まずオーナー組合(Home Owner Association:HOA)の費用を毎月口座引き落としで支払えるように手続きをしておきます。
オーナー組合費と固定資産税は必ずかかってくる費用なので、確実に支払いをしておきましょう。
※オーナー組合費や固定資産税などについて詳しくは「ハワイ不動産の維持費・管理費・固定資産税」をご参照ください。
【ハワイ不動産投資】購入に関する記事
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